(2004/06/27 掲載)
「ひねもす俳句」カテゴリを作ってみます。
コビンちゃんに俳句でコメントをつけるという、シチめんどくさい表現をしているので、俳句のカテゴリ作ったら載せる?と打診をしたところやってみてもいいという返事が。
申しおくれましたが、俳句投稿者は勝美さん(粟村父)です。
東京大仏TVチームが写真を撮り、それに合わせた句を付けてもらいます。
私にはどーもインチキくさい句に思えますが、けっこういいなぁと思える句もまた、勝美さん作ります。
俳句そのものへの感想はもちろん、何でも構いませんので気になったらコメントつけていただけると、本人ますますいい気になります。
短いセンテンスで空気感を伝える俳句はblogに最適!という後付けの理由も農宗が捻りだしました。
てなわけで、早速今日からレッツラゴー。
(2004/06/27 掲載)
逆しまに揺らぐ梅雨入りの木々の影 /勝美

緑蔭のやしろへ朱き橋渡る /勝美
(2004/06/28 掲載)
風神像の遠まなざしの先は虹 /勝美
玄関に読めぬ表札黴の家 /勝美
(2004/07/03 掲載)
夕焼やあと一本の釘を打ち /勝美
夕焼の底より夜の街開く /勝美
(2004/07/06 掲載)
投票に行かうと誓ふ星まつり /勝美
値札付け替へても西瓜売り残す /勝美
(2004/07/10 掲載)
金魚一匹過保護して太らしむ /勝美
町内の猫の寄り合ふ夕薄暑 /勝美
(2004/07/15 掲載)
葉に載せて無花果三つ賜はりぬ /勝美
雲の峰貧しき町はしづかなり /勝美
(2004/07/18 掲載)
窓外ははや梅雨雲のなき異国 /勝美
ゴンドリエ棹さすあたり天の川 /勝美
(2004/07/24 掲載)
旅人の列車待つ間や合歓の昼 /勝美
回廊の大暑や柱ゆるぎなき /勝美
(2004/08/02 掲載)
ポンペイの遺骸にも似て蝉の殻 /勝美
星砂を波の洗ひし今朝の秋 /勝美
(2004/08/06 掲載)
予定調和や朝顔の紺開く /勝美
柳散る川面やバルビゾンの空 /勝美
(2004/08/10 掲載)
開幕の刻待ちゐたる残暑かな /勝美
奇を衒うことなき線香花火好き /勝美
(2004/08/16 掲載)

蓑虫や貼紙に記す移転先 /勝美
ひぐらしや改修遅々の被災跡 /勝美
(2004/08/22 掲載)

低山の低きにありて秋の蝉 /勝美
木道に人影見えず山残暑 /勝美
(2004/08/24 掲載)

千載の一遇得たり梅鉢草 /勝美
限り無く雲湧く高きに登りけり /勝美
(2004/09/01 掲載)

敬老日ひとりで祝ふ酒苦し /勝美
話まだ尽きず夜長の街にまで /勝美
(2004/09/07 掲載)

命綱たりし甘藷や母は亡き /勝美
パン焼いてひとり夜長を紛らはす /勝美
(2004/09/12 掲載)
焼栗やつぶさに巴里の街の地図 /勝美
竜胆や浅間に煙り低く垂れ /勝美
(2004/09/19 掲載)
曼珠沙華沈む夕日に立ち尽くす /勝美
鶏頭花本家分家は庭つづき /勝美
(2004/09/29 掲載)
満ち足りて猫眠りをり鰯雲 /勝美
犯罪の多き無月の街なるよ /勝美
(2004/10/09 掲載)
秋時雨今日も駅まで同じ道 /勝美
秋霖や空きの埋まらぬ駐車場 /勝美
(2004/10/14 掲載)
しろがねの無垢のひかりのすすき原 /勝美
善人で通す毎日秋の雲 /勝美
(2004/10/19 掲載)
落ちてなほ哄笑止まぬ石榴の実 /勝美
草むらにかしぐ板碑や秋茜 /勝美
(2004/10/26 掲載)
零余子(むかご)蔓引けば雨粒降り掛かり /勝美
昼酒は蕎麦屋に限る酔芙蓉 /勝美
(2004/11/13 掲載)
坪庭の紅葉明かりや虫籠窓 /勝美
水澄める古都に異彩の水路閣 /勝美
高瀬川一之船入落葉舟 /勝美
山茶花の白のはらりと芭蕉庵 /勝美
小春日和蕪村の墓へ参らんか /勝美
厄除けの猿を軒端に年の暮 /勝美
(2004/11/23 掲載)
ならまちの無住寺ひそと実南天 /勝美
商ひの地酒ずらりと花やつで /勝美
有り余る日をふんだんに干蒲団 /勝美
(2004/12/14 掲載)
はや灯す家そちこちや枯れいばら /勝美
数へ日の街角に立つ石地蔵 /勝美
冬ざるる時代遅れの古遊具 /勝美
(2004/12/31 掲載)
臘梅や俄に白きものの舞ふ /勝美
雪掻きは他人まかせや街眠る /勝美
(2005/01/13 掲載)
雪消えし地になすことのなき土鳩 /勝美
午後の日をかへすさざ波寒の入 /勝美
(2005/01/21 掲載)
風雲の兆しも見えず竜の玉 /勝美
水仙や屈(かが)む高さの香に浸り /勝美
さへづりの仲間待つ間の一呼吸 /勝美
(2005/02/11 掲載)
ひと雨に梅開かんとする予感 /勝美
住むひとの絶えたる家や沈丁花 /勝美
揚げ渋る凧に因果を含めけり /勝美
(2005/02/23 掲載)
梅の香のひそと漂ふ裏通り /勝美
鳥雲に惰性でテレビドラマ見る /勝美
(2005/03/08 掲載)
梅の下世間話に花咲かす /勝美
青丹よき古都の大路や花馬酔木 /勝美
花冷えや入り日を透かす欅の木 /勝美
春愁や山といふには低すぎて /勝美
(2005/03/18 掲載)
つながれて犬春愁を逃れ得ず /勝美
かざぐるま一つ止まればみな止まる /勝美
出動の時間の待てず恋の猫 /勝美
(2005/03/28 掲載)
山茱萸の花の星雲黄に烟る /勝美
彼岸会(ひがんえ)の風まだ硬き雑木山 /勝美
みづからの声に驚愕して蛙(かはづ)/勝美
(2005/03/31 掲載)
青空に白を象嵌花辛夷 /勝美
みちなきをゆき踏青の果ては海 /勝美
花ぐもり行き交ふひとのなきデッキ /勝美
花冷えの宵を粧(よそほ)ふ観覧車 /勝美
(2005/04/09 掲載)
夜桜のための雪洞はや灯る /勝美
敬虔に祈る姿や花貝母(ばいも) /勝美
みづからを繋ぎ止めゐし錨草 /勝美
アネモネや風の便りの故郷のこと /勝美
潮騒やひなげし揺るるばかりなり /勝美
(2005/04/22 掲載)
八つ橋の板のじぐざぐ夏はじめ /勝美
招き猫ひとつ売れけり初夏の寺 /勝美
麦秋やフランスパンの焼き上がり /勝美
春疾風枝を離るるもの哀れ /勝美
(2005/05/03 掲載)
ビルの影崩すさざ波植田水 /勝美
若葉影映してゆらぐ池の面 /勝美
影を生む光射し込む聖五月 /勝美
防犯の鍵に安堵や五月闇 /勝美
(2005/05/21 掲載)
はなびらをベッドに散らし薔薇の夢 /勝美
測量の器材どさりとヒメジョオン /勝美
緑蔭に座すや睡魔に襲はるる/勝美
住み古りし地は片蔭もなく更地 /勝美
(2005/05/24 掲載)
夕餉には未だ日の高し焼きなすび /勝美
舌火傷しさうに辛し汗にじむ /勝美
巣に帰ることも忘れて夏燕 /勝美
燕の子並ぶは歳の順なるや /勝美
(2005/06/10 掲載)
山開きたる雲中をひたに飛ぶ /勝美
涼しさや水に流せしよしなごと /勝美
窓開けて種を飛ばせりさくらんぼ /勝美
巴里祭の市場青果を山と積み /勝美
夏野より流るる水の果て大河 /勝美
(2005/06/11 掲載)
雷の気を集め尖塔そそり立つ /勝美
切り通しめきし路地裏昼寝どき /勝美
白南風(しろはえ)に白さ益しけりカテドラル /勝美
(2005/06/12 掲載)
風死せりメインロードに街の音 /勝美
今日明日の食料山と買ひ薄暑 /勝美
ガレットを食ひつつ思ふ冷奴 /勝美
(2005/06/23 掲載)
スモーク・ツリーと知らで学生憩ひけり /勝美
缶詰で済ます一食キャンプ村 /勝美
人生の裏側寂し夏廃墟 /勝美
(2005/07/02 掲載)
古代蓮濁世(じよくせ)の花として開く /勝美
三伏や地蔵の供花のすぐ萎れ /勝美
しもつけや幼きころの鹿の子帯 /勝美
(2005/07/12 掲載)
凌霄花(のうぜんか)しきりに焔したたらす /勝美
風鈴屋風に客寄せ任せけり /勝美
梅雨さなか老眼とみに進みけり /勝美
(2005/07/27 掲載)
野あざみの茂みにも穴着弾地 /勝美
傷口に樹脂吹き出せり酷暑の木 /勝美
(2005/08/06 掲載)
木洩れ日の斑が飾る蟻の道 /勝美
天牛(かみきり)のしとねにしだらなき姿 /勝美
山上にゐて涼風に身を任す /勝美
(2005/08/17 掲載)
がちゃがちゃの一つ一つにある個性 /勝美
註: がちゃがちゃ=くつわ虫
テロ続く地や銀漢の尾の彼方 /勝美
(2005/08/23 掲載)
皺深き貌となるまで梅を干す /勝美
塵払ふ敬老の日の古道具 /勝美
(2005/09/11 掲載)
鳥渡る風車見る見る遠ざかり /勝美
街の声常に戻るや台風過 /勝美
売出しの更地に残る虫の声 /勝美
(2005/09/18 掲載)
遠目にも松虫草と判る色 /勝美
ポトフ鍋主役を秋の野菜とす /勝美
ほとばしる水の白さよ秋の滝 /勝美
(2005/09/25 掲載)
青ふくべ物いはざれば腹ふくれ /勝美
粧ひの整はぬまま初紅葉 /勝美
美しきものは美を呼ぶ秋あざみ /勝美
竹の春風百幹を離れざり /勝美
(2005/10/05 掲載)
秋霖や尾燈の光る帯しきり /勝美
肌寒し通過電車の起こす風 /勝美
哀しみの身に霧雨の傘重し /勝美
(2005/10/13 掲載)
山猿の謀議しきりや蜜柑山 /勝美
団欒の灯に甘露煮の栗の艶 /勝美
(2005/10/14 掲載)
木犀の金の降る径至福の歩 /勝美
花水木の実の色付きし被災の地 /勝美
(2005/10/26 掲載)
冬眠の迫るかはづの思ふこと /勝美
落書きに意味あるごとし冬ざるる /勝美
(2005/11/13 掲載)
はや冬は塀のそばまで来てをるぞ /勝美
冬ざるる町や無人の販売所 /勝美
道具立てよし語らひの場の落葉 /勝美
いのちまだ漲る冬の飛蝗かな /勝美
高速路は名残の空へつづきけり /勝美
神の旅カーナビといふ優れもの /勝美
(2005/11/24 掲載)
野火止のそぞろ歩きや冬日濃し /勝美
冬の朝血潮漲る掌をかざし /勝美
被写体に移ろふ影や日短か /勝美
石塔の欠けるにまかせ寅彦忌 /勝美
珊瑚樹の実や御利益の降るごとく /勝美
紅葉散る一期一会を旨として /勝美
鐘の音に紅葉散りゆくばかりなり /勝美
(2005/12/07 掲載)
聖夜の御馳走ささやかに中華めし /勝美
電飾に心算砕くクリスマス /勝美
また明日も見たし寒夕焼けの富士 /勝美
冬の虫とて椿象(かめむし)に御座候 /勝美
(2005/12/30 掲載)
一切をかなぐり捨てて今冬木 /勝美
恋猫の影黒猫として添へり /勝美
門松や耐震偽装マンションに /勝美
(2006/01/04 掲載)
去年今年犬小屋ほどの家住まひ /勝美
掛け大根憂き世の風に乾びゆく /勝美
買初の袋に詰まるほどの福 /勝美
(2006/01/28 掲載)
さかなやの切身ひとしく春の色 /勝美
受験子の眼に春雪の窓明かり /勝美
雪掻いていつしか軽くなる心 /勝美
(2006/02/07 掲載)
鳥帰るべしと文鳥独りごつ /勝美
一杯のショコラ召しませ春の風邪 /勝美
春なれば鉢植え色を溢れしむ /勝美
春寒し改装遅々の貸店舗 /勝美
文鳥の嬉々と遊ぶや水温む /勝美
(2006/02/21 掲載)
畑焼いて夕べの祈り捧げけり /勝美
木の芽晴こんがりとパン焼き上がり /勝美
ベンチとは春愁の身の置き処 /勝美
兜太ゐず青鮫もゐぬ梅である /勝美
(2006/03/02 掲載)
街路樹の目覚め未だし春遅々と /勝美
ほほづゑに待つ身をあづけ春の宵 /勝美
三月のよろこびに充ち京弁当 /勝美
啓蟄の人人人や音立てて /勝美
春のよろこび運び来しカランコエ /勝美
(2006/03/16 掲載)
鉄柵をしめ菜の花の収容所 /勝美
何時か子も跼み看るべし雪割草 /勝美
巣離れの鮒に誘ひの鉤下ろす /勝美
紅梅の彩に余情の有り余る /勝美
揺り起こす風に目覚めて猫柳 /勝美
(2006/03/28 掲載)
白木蓮の高きは雲に届きたり /勝美
句碑の字をなぞる指先花の冷え /勝美
青柳の水には遠き枝の丈 /勝美
風つかむには幼くて柳の芽 /勝美
装ひを剥けば均一新社員 /勝美
(2006/04/05 掲載)

花はこぶ川面さわがし里の昼 /農宗
川べりのベンチで喰いたし桜餅 /淳子

花の下ベンチに憩ふ老夫婦 /妙子
留守番を犬にまかせて花見茣蓙 /勝美

桜しべ小鴨に触れて流れゆく /妙子
菜の花の香や携帯のメール打ち /勝美

三月菜なほ咲きほこる土手日向 /農宗
せわしなく蜂の飛び交う畑は黄 /淳子
赤帽の園児ぞろぞろ犬ふぐり /勝美

さくら咲く飛行機雲の一文字 /勝美
定食を待つ間もどかし花疲れ /勝美
(2006/04/15 掲載)
パリジェンヌ来ず花冷えのカフェテラス /勝美
春深む日差しのなかの家族愛 /勝美
風薫るハンバーガーの香を乗せて /勝美
キャンデイの包み紙ですチューリップ /勝美
花降らせ自らの座を荘厳す /勝美
(2006/04/30 掲載)
屋内で意気の揚がらぬ鯉のぼり /勝美
春惜しみあふかに車座の遊具 /勝美
見詰められ出るに出られぬ蟇 /勝美
傘差してお目見得歌舞伎めく牡丹 /勝美
(2006/05/08 掲載)
差し伸べし手に容赦なき薔薇の棘 /勝美
風薫るチームは作戦会議中 /勝美
葱坊主お前はおまへ俺はおれ /勝美
母の日の介護する母される母 /勝美
商戦の最前線の鯉のぼり /勝美
(2006/05/18 掲載)
有るだけの傘の出番や走り梅雨 /勝美
梅雨寒をかこつ出前の食器かな /勝美
匍へばとてとぐろは巻かず蛇苺 /勝美
睡蓮と雨の波紋のせめぎあひ /勝美
(2006/06/02 掲載)
父の日も凡そをベンチにて過ごす /勝美
半夏生街収縮を繰り返す /勝美
蔦茂るひとは道路を歩くべし /勝美
祇園会の馳走に焼くやまながつお /勝美
(2006/06/16 掲載)
化物のごとく草伸び梅雨晴間 /勝美
父の日の遊び相手を勤めけり /勝美
息吹き込んで紫陽花を膨らます /勝美
牧神の座の切株を守る蜥蜴 /勝美
ゆゑありて外に繋がれ蚤取粉 /勝美
(2006/06/27 掲載)
どくだみの増殖鬱の始めとす /勝美
みつばちの戸別訪問梅雨晴間 /勝美
猛犬の尻は隠れずはたた神 /勝美
なめくじり読めぬ仮名釘流の跡 /勝美
やがて着る天道虫の星の服 /勝美
(2006/07/14 掲載)
出生率低下傾向トマト熟る /勝美
夏さなか水大福の笹の青 /勝美
ソフトクリームの先端へと舌の先 /勝美
合戦小屋の楽しみは西瓜なり /勝美
うなぎ飯胎児ごとりと動きたり /勝美
(2006/08/03 掲載)
旅立ちの刻迫りけり揚羽蝶 /勝美
ひまわりのタイトルバック懐かしく /勝美
セッションのジャズに手拍子晩夏光 /勝美
手折るには忍びぬ百合の気品かな /勝美
すぐり熟る開拓農の丸木小屋 /勝美
(2006/09/14 掲載)
草むらに姿を見せし昼の虫 /勝美
練習の成果まちまち阿波踊り /勝美
綿菓子のやうな雲浮く秋祭り /勝美
長き夜の嬰の足裏見て飽きず /勝美
(2006/10/16 掲載)
栗むいて指の汚れを訝しむ /勝美
ハロゥインかぼちゃの果たすべき役目 /勝美
出来たての雲の切れ端秋の空 /勝美
秋の夜やロマンス色のネオン点き /勝美
(2006/11/17 掲載)
第二十一回国民文化祭2006やまぐち文芸祭俳句大会において
この、ひねもす俳句の作者の次の作品が社団法人俳人協会賞を受賞しました。
灯を入るる頃となりけり夏座敷 /勝美
作者は山口まで招待を受け、表彰式に臨みました。

ついでに、瑠璃光寺、雪舟庭、サビエル記念聖堂などを見学した折のひねもす。
瑠璃光寺池に冬めく塔の影 /勝美
石庭の黙(もだ)の深しよ石蕗の花 /勝美
絵硝子の冬日微塵や祈る背に /勝美
(2006/12/04 掲載)
枯葉のベンチ相寄らぬ影ふたつ /勝美
寒禽とネット越しなるご対面 /勝美
大勢の子供の去りし枯葉かな /勝美
独居房めくアパートも冬日濃し /勝美
(2006/12/21 掲載)
草枯れて芯の強さを残したる /勝美
数へ日や漢方薬の早き減り /勝美
尻向けて白菜はしたなかりけり /勝美
白菜のすでに萎びてをりしかな /勝美
聖樹ただ単に広告塔の役 /勝美
外しけりショールに絡む鬘の毛 /勝美
(2007/01/14 掲載)
何気なく大仏在(おは)す初写真 /勝美
餅つきの夢や隠居の臼に杵 /勝美
参道に並ぶ露店や初詣 /勝美
(2007/01/20 掲載)
空を切る音剪定の上り詰め /勝美
福は内なりパンジーを飾る門 /勝美
春寒し荷台大きく口を開く /勝美
(2007/02/16 掲載)
梅の木の影に我が影重ね踏む /勝美
春昼の鼠は猫を恐れざり /勝美
紅梅の浄土へ上る縄梯子 /勝美
乙女の間短き乙女椿かな /勝美
(2007/03/05 掲載)
見もされぬことにも馴れて花ミモザ /勝美
浮き浮きか将(はた)憂き憂きか蛙出づ /勝美
梅凛々幼き武者の勢揃ひ /勝美
挨拶はものの順序よ恋の猫 /勝美
(2007/03/23 掲載)
混沌は宇宙にも似て桜草 /勝美
四月馬鹿化けもせでゐる陶狸 /勝美
柳見て和まぬものはなかるべし /勝美

春の土手丸太の如く臥すもよし /勝美
少女らのワルツは永久(とは)にうららけし /勝美
(2007/04/06 掲載)
春塵に押されて土手のベビーカー /勝美
みどりごの周りに座り桜土手 /勝美
菜園の畝浮きたたす花の屑 /勝美

丈伸びし菜の花迷路めく畑 /勝美
一雨に川濁れども残る鴨 /勝美

川風の触れてゆきたる柳かな /勝美
食べ終へし葉をてのひらに柏餅 /勝美
(2007/04/23 掲載)
天球に星あるごとく水に蝌蚪 /勝美
風炎や殺生石と化す狐 /勝美
ターバンに焚きこむ香や鬱金香 /勝美
腹割って話せば解るチューリップ /勝美
うつろはぬものとてなけれ白躑躅 /勝美
(2007/05/04 掲載)
緑陰に憩ふごときの鯉の群 /勝美
空青し青葉若葉の葉の狭間 /勝美
鼻腔襲へりジャスミンの香の波動 /勝美
木洩れ日の迷彩色に兵の蟻 /勝美
(2007/05/04 掲載)
ひねもす俳句の作者、勝美さんは、ひねもす以外にも、あちこちの句会に参加したり投稿したりと、日々俳句づくりに勤しんでいるわけですが、この春に3つ、投稿した俳句が選ばれたそうです。
まずは、三重県の「山の一句」にて佳作。
峰遠し夜露のつたふ遭難碑 /勝美
お次は、地球ボランテイア協会の「あなたの一句が地球を救う」にて佳作。
巻尺を延ばし極暑の地を測る /勝美
次回は「秀逸」を狙う、と作者の弁。
そして、第三回蕪村結城賞全国大会にて、つむぎ賞(選者特選句)を受賞。
塔あらば塔の高みにつばくらめ /勝美
毎日やってるだけのことはあって、他のことはさておき「俳句はすぐできる」らしいです。
入選とか佳作とか評価とか、選ぶ側の観点や基準によって変化するものなので、私はそんなに重要じゃないとは思います。だけど俳句に限らず、選ばれるものには、素通りできない何かがあると考えていいのだとも思います。
とにもかくにも、うれしい春ですね。
(2007/05/28 掲載)
どくだみの防臭効果期待薄 /勝美
子に作らんしろつめ草の冠を /勝美
紫陽花は定めの色を待つばかり /勝美
干し物を潜り集金人薄暑 /勝美
下町の梅雨待つ屋根の波しづか /勝美
(2007/06/14 掲載)
くちなしの香に居住まひを正しけり /勝美
梅雨空の断片ここに潦(にはたづみ) /勝美
駐車場をあぶれて枇杷の熟るる下 /勝美
ピーマンのがらんどうめく夏座敷 /勝美
滝しぶき赤かぶ洗ふ百姓女 /勝美
(2007/06/25 掲載)
朝焼の薄れてゆけば只の町 /勝美
年金の話も湿る戻り梅雨 /勝美
間取図を描く風鈴のすでに鳴り /勝美
緑蔭に哲学中の石である /勝美
唐黍や姉様人形遊びせし /勝美
暗がりに飛ぶ枝豆を目の端に /勝美
(2007/07/05 掲載)
幼な手の汚れな染めそ原爆忌 /勝美
次の鉾待つ間も濡れて佇める /勝美
プラム盛る器の白し巴里祭 /勝美
青梅雨の街角愉し花溢れ /勝美
向日葵の後ろめたさのなき自信 /勝美
(2007/07/20 掲載)
町衆の寄り合ふやしろ秋薊 /勝美
花ダチュラ夜の静寂のニニロッソ /勝美
ペガサスや遥けき此処はコンロンカ /勝美
冬瓜や蔓を身重の支へとす /勝美
(2007/08/01 掲載)
わたくしの時間と場所へ浴衣掛 /勝美
末社にもあまねく西日射しにけり /勝美
出番待つ祭提燈うらがなし /勝美
宵闇に集ふ笛かた太鼓かた /勝美
(2007/08/07 掲載)
海の日に訪ふや開港記念館 /勝美
階段は糸瓜の仲間蔓伸ばす /勝美
名月を取り込む位置に窓開く /勝美
西日射すエントランスに靴ひびく /勝美
(2007/08/28 掲載)
流れゆく蟷螂机龍之助 /勝美
ネグリジエの魚眠れず月上る /勝美
水中に暮らす他なき極暑かな /勝美
秋思ふと魚であること忘じけり /勝美
背負ふ子の爆睡花火始まるに /勝美
秋夕焼何処までつづく温暖化 /勝美
(2007/09/10 掲載)
一部屋に雑魚寝の憂き目秋遍路 /勝美
変貌の極の唐黍ポプコーン /勝美
オクラ玉込めてクレーの射撃かな /勝美
新月や細る暮らしの詮もなし /勝美
蜩やビクターの犬ならずとも /勝美
(2007/09/18 掲載)
ひねもす俳句の勝美さんが、NHK学園生涯学習フェステイバル別府俳句大会で、特選とNHK大分放送局長賞を受賞されました!
勝美さんから届いたメッセージがこちら↓
NHK学園生涯学習フェステイバル別府俳句大会で、
香水の空き瓶恋の数ほどに /勝美
が、「湾」主宰大岳水一路先生の特選とNHK大分放送局長賞を
頂きました。別府俳句大会壇上で、それぞれ賞状と賞品を授与
されました。今回は、デジカメ持参しなかったのが悔やまれる。
もっとも、携帯で写メール出来たのに。
「蕗」主宰 倉田紘文先生に次の二句を佳作に選んで頂きました。
はまなすに一握の砂こぼしけり /勝美
ひかげればひかげの色に雨蛙 /勝美
(2007/09/28 掲載)
霜降や子に餌を運ぶ親鴉 /勝美
子供等に影の這ひ寄り冬隣 /勝美
蛇笏忌の光あまねく注ぐ空 /勝美
秋思濃し自首の思案の尽きかねて /勝美
靴擦れの足を引きずり金糸草 /勝美
惜しみなく生きて着てこそ秋袷 /勝美
(2007/10/13 掲載)
ひと部屋に合はす身丈や冬支度 /勝美
シェルターは一家にひとつ冬隣 /勝美
犬の目に映るたそがれ秋深む /勝美
夢の中までもつづけり彼岸花 /勝美
(2007/10/29 掲載)
陰日向なく身辺に秋扇 /勝美
日の当る事もあらめや濡れ落葉 /勝美
冬涛に切り込む舳先影なして /勝美
仏門に帰依一筋や虫しぐれ /勝美
水澄みて身も露(あらは)なる魚どち /勝美
亀虫や逃げの一発かますのみ /勝美
(2007/11/10 掲載)
ぼろ市へつづくこの道通学路 /勝美
猫の手の借り手のなしに日短 /勝美
さすらひのはての一服芭蕉の忌 /勝美
重ね着の芯に着痩せの肉潜む /勝美
焼藷の香り車内に充満す /勝美
(2007/11/17 掲載)
ひねもす俳句作者の勝美さん、またまた入選。
ひとつは、「22回国民文化祭とくしま大会」に入選。俳人協会理事長の宮津昭彦さんが、勝美さんの句を特選に選んでくれたそうです。
花種を蒔き散骨の終りけり /勝美
もうひとつ朗報、ふるさと情報カレンダーの優秀作家作品にも。市販のカレンダーに掲載されるそうです。
楽しみですね。(買わないとは思うけど)
(2007/11/26 掲載)
曉闇に見る極月の街の貌 /勝美
足音の行き交ふまへの落葉かな /勝美
黄葉はやがて散る散る古着市 /勝美
年惜しむ捏ねて搗かれしのみなれど /勝美
明日には聖菓一色なりぬべし /勝美
(2007/12/02 掲載)

毎度おなじみの勝美さんが、またまた受賞です。今度は「さいたま市民文芸」。
以下は、作者から届いた受賞を知らせるメールより。
さいたま市民文芸第6号表彰式が、12月2日にJACK大宮にて行われました。
優秀賞作品は
「柏餅」と題して

北窓を開く胸襟開くごと
餅花や梁は手斧の荒削り
竹の秋日の斑のなかの陶工房
出逢ふ人なき花冷の屋敷町
掌に余る葉を手にひろげ柏餅
写真は、表彰式及び懇親会の模様。下の写真左より審査員星野和子先生、北原立木先生、石原栄子先生。
下は山本圭子先生と受賞者
(2007/12/16 掲載)
ひねもす俳句作者の勝美さんが、天満書房の第5回俳句文芸賞を受賞しました。
下が受賞句。
鶏頭の熱のかたまり壺に在り


賞状と賞品が今日届いたそうなので掲載します。
賞品はカシオの電子辞書EX-wordのXD-SW6500BKと、副賞は書籍で「近代俳人群像」。
今年一年はとくにさまざまな句会やコンテストで賞をもらっている勝美さん。
賞をもらうもらわないは別としても、ひとつのことに集中する力は、わが父ながらあっぱれです。
(2007/12/16 掲載)
山梔子の枯れても失せぬ色気かな /勝美
クリスマスリースの扉開け集金人 /勝美
華やかに人出待ちたり年の市 /勝美
大空にアンテナ伸ばす一冬木 /勝美
終末は突如来るもの落葉また /勝美
(2008/01/03 掲載)
何はさて正月気分自づから /勝美
初晴や希望は形なして浮く /勝美
改めて初日に目覚む「偽」の世間 /勝美
買初めに賞味期限を確かむる /勝美
初詣まじまじと見るご神体 /勝美
(2008/01/27 掲載)
末ながく寄り添ふ仲や目貼剥ぐ /勝美
閉め出しはいつもながらや春寒し /勝美
「駐車場空き有り」鉢の梅二輪 /勝美
寒明けやあまねく兆す日矢の数 /勝美
冴え返る街灯にみる今朝の顔 /勝美
(2008/02/21 掲載)
海風を浴びてデッキの恋の猫 /勝美
復活祭色鮮やかにハーブティ /勝美
灯台に高き波音春寒し /勝美
春潮の膨らむ際をたもとほる /勝美
(2008/02/21 掲載)
海象の髯の先より陽炎へる /勝美
飽きもせず見る春昼の鯱の芸 /勝美
大口のペリカンもゐて百千鳥 /勝美
薄氷を踏むペンギンの一部隊 /勝美
(2008/03/03 掲載)
春愁や座り疲れて座り胼胝 /勝美
人形に造花ひとには桜なり /勝美
春水をキンクロハジロ我がものに /勝美
梅愛づる心は一つ癒さるる /勝美
生き雛に作り給ひし五目寿司 /勝美
(2008/03/30 掲載)
何故ひとは桜の下を好むのか /勝美
嫁菜摘む老婆大地を摘まみ上げ /勝美
石あれば石に腰掛け遍路旅 /勝美
春愁の目蓋自然に下がりけり /勝美
初めての使ひや陽炎買ひにゆく /勝美
(2008/04/03 掲載)
俳句のくに三重全国俳句募集の「光の一句」部門で勝美さんの句が佳作に選ばれました。
冬蜂の光の方へ向ひけり /勝美
ちなみに応募総数は112,943句。いや〜、10万人が応募するってスゴイですね。
(2008/04/24 掲載)
桟道を踏む石楠花の靄破り /勝美
聞き流すことこそよけれ糸柳 /勝美
此の上は同行二人二輪草 /勝美
空の窓開け放たれて若葉風 /勝美
(2008/05/12 掲載)
ひねもす俳句の浦和の俳人こと勝美さんからメールが届きました。
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昨日、第14回酔花忌俳句大会に出かけました。
席上、川崎区長賞の賞状と副賞を授与されました。
(副賞は図書券でした)
さへづりの天へ古刹の塔ふたつ /勝美
これで今年になって3度目のご褒美です。
この授賞のまえに、地球ボランティア協会から
佳作賞の賞状が送られてきました。
晩夏濃し地平線まで地雷原 /勝美
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勝美さんおめでとうございます!
メールは「まあ、ぼちぼちやな。」と締めくくられていました。
▼川崎区長賞授与式の様子と賞状

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| 川崎区酔花忌俳句大会の賞状 | 「あなたの一句が地球を救う」佳作賞状 |
酔花忌というのは、川崎出身の詩人・作詞家の佐藤惣之助の命日。
「酔花」の俳号で俳句も詠んでいたそうです。
佐藤惣之助についての詳しいことは、佐藤惣之助 - Wikipediaで。
(2008/05/17 掲載)
一輪の大き夏花や供養塔 /勝美
父の日もごろごろ髭を剃らずをり /勝美
巴里祭花舖は鉢花溢れさす /勝美
緑蔭や葬送の列はや見えず /勝美
【作者より注釈】
夏花は「げばな」とよむ。夏安居(げあんご)90日間懇ろに
花を仏に供える、その花をいう。
(2008/06/02 掲載)
手掴みに作法などなし裸の子 /勝美
酢漿(かたばみ)を咲かせ空き家となりにけり /勝美
麦秋やふつくら浮かぶ飛行船 /勝美
虹ならばなほ良かるべしすべり台 /勝美
(2008/06/18 掲載)
ガリバーの黴の胞子や気球めく /勝美
長柱立てて大工の三尺寝 /勝美
白服の行くや修学旅行生 /勝美
青玉を掌もて掬へり額の花 /勝美
向日葵の単眼何を窺ふや /勝美
(2008/07/17 掲載)
ランタナは季語に未だし七変化 /勝美
許されてしばしの午睡調教師 /勝美
青唐辛子己が辛さに青ざめる /勝美
水遊びつづくや俄雨のなか /勝美
(2008/07/28 掲載)
旅立ちに言葉はいらぬ夏あざみ /勝美
ふるさとの大仕掛けなる誘蛾灯 /勝美
蓮開く打ち止めとなるパチンコ台 /勝美
霍乱や憤怒の色の街に住み /勝美
(2008/08/14 掲載)
釣といふ殺生四万六千日 /勝美
暫くの生命を休め蝉鳴かず /勝美
夕焼けを戴き街に言葉なし /勝美
喜びは尾を曳くものよ北京夏 /勝美
(2008/09/03 掲載)
秋暑し手つかずの皿回るだけ /勝美
新涼や早くも点る街路灯 /勝美
一粒の葡萄一句を生ぜしむ /勝美
茄子の花やがて一句となる言葉 /勝美
ゼフィロスの秋声耳にひとり旅 /勝美
(2008/09/24 掲載)
このごろは耳を澄ませば秋の声 /勝美
ひそやかに砂場に埋めてゐる木の実 /勝美
植え込みをパッチワークに文化の日 /勝美
稲妻や生まれしものにある手肢 /勝美
飛ぶやうに巡り巡れり秋遍路 /勝美
(2008/10/11 掲載)
木犀の匂ひの波動吾をゆする /勝美
老いらくや色なき風に吹かるのみ /勝美
信仰の洋も和もなし文化の日 /勝美
営みに蓋をする屋根冬隣 /勝美
(2008/10/17 掲載)
杜鵑草保護といふ名の塚破壊 /勝美
扉死守枯蟷螂となるまでよ /勝美
天を衝く意気のデモ隊鶏頭花 /勝美
先生も自前の法被秋まつり /勝美
掌中の珠さてこそと栗のつや /勝美
(2008/11/04 掲載)
坂の町突進ならぬ消防車 /勝美
日向ぼこ悩みに胸を痛めつつ /勝美
沙魚日和指導よろしき竿さばき /勝美
今出来の城といへども蔦紅葉 /勝美
短日や手早く済ます車内食 /勝美
(2008/11/21 掲載)
着膨れや今日は秘仏の公開日 /勝美
提灯や秩父夜祭待ち遠き /勝美
蟷螂の枯には広き天地かな /勝美
我が暮し楽にならざり冬霞む /勝美
うつ田姫もの食ふこともありぬべし /勝美
(2008/12/03 掲載)
ひねもす俳句作者の勝美さんが、さいたま市民文芸第7号優秀賞に入賞しました。
さる11月30日、JACK大宮での表彰式に出席したとのことです。
入賞句は以下。
夏山登山
山開きたる雲中に汚れなし /勝美
水音の耳を離れずお花畑 /勝美
鉄梯子懸かる岩角明易し /勝美
遭難碑脇に積み足す小ケルン /勝美
岩壁に残るカラビナ晩夏光 /勝美
(2008/12/11 掲載)
十二月八日を知らず子は育つ /勝美
陰日向なく働いてはや師走 /勝美
今頃は京都にあれば大根焚 /勝美
曝さるる皺の隅々日向ぼこ /勝美
冬夕焼心尽くしの皿の数 /勝美
(2008/12/28 掲載)
繭玉にそそぐ光を顔に受く /勝美
冬木の芽ベンチに並ぶ顔馴染 /勝美
各局のマイクの拾ふ街師走 /勝美
支へ合ふ家族四人や冬深む /勝美
次々と理想は高し龍の玉 /勝美
(2009/01/23 掲載)
冴返る風にあらがふことをせず /勝美
豆撒きの近い部屋整頓しやう /勝美
春寒し足に食ひつくぬいぐるみ /勝美
春めくや遊具ひたすら子供待つ /勝美
海原を恋ふ眼差しや寒の明け /勝美
(2009/02/16 掲載)
黄砂来る気配早くもキャッチせり /勝美
啓蟄の店に溢るる色色色 /勝美
隠し事なしと磯巾着ひらく /勝美
蛇口より春光ほとばしるべかり /勝美
ビー玉の青し陽炎見ゆるなり /勝美
(2009/03/16 掲載)
白妙の衣干しあり春の山 /勝美
花菜とは娘の名前うららけし /勝美
馬繋ぎあるじは花の雲の中 /勝美
四月馬鹿エコといふ名の洗濯屋 /勝美
蛇出でし穴を点検作業中 /勝美
(2009/04/16 掲載)
慈しみ籠めてハム買ふ聖五月 /勝美
迷宮のゴールは塔よ南風 /勝美
紅白はめでたき色や花菖蒲 /勝美
振り向きもせず入園の決まりし子 /勝美
泉へと向かふ三三五五のひと /勝美
子は母に呼ばれて帰る花踏んで /勝美
(2009/05/03 掲載)
新緑やあちこちにある青テント /勝美
牧神の椅子目前に蟻すすむ /勝美
でくのぼうと呼ばれ歩むや桐の花 /勝美
球場に快音ひびく夏木立 /勝美
わだかまり無きこそよけれ吹流し /勝美
(2009/05/12 掲載)
ひねもす作者勝美さんが、川崎の酔花忌俳句大会2009に出席しました。
酔花忌は、川崎出身の詩人・作詞家の佐藤惣之助の命日5月15日を記念して開催。
佐藤惣之助は「酔花」の俳号で俳句も詠んでいたそうです。
詳しいことは、佐藤惣之助 - Wikipediaで。
応募句は、15位。(「おはずかしい限り」と作者弁。)
溪水を掬ふ指先新樹光 /勝美
当日の句会は、席題2句で1句目は花水木(季語)、他はふるさと(詠込み)。
花水木煉瓦で囲ふ女学校 /勝美
ふるさとの棚田天まで風薫る /勝美
2句とも高点だったそうです。
その場で発句するのは、瞬発力が要りそうですね。
(2009/05/26 掲載)
幻滅なけれ夜の遠目の蛍こそ /勝美
緑蔭を求めてバスの来たりけり /勝美
河童忌の道路は川の上にまで /勝美
自らを決めかねゐたり七変化 /勝美
囚はれの異星人めくがまがへる /勝美
(2009/06/13 掲載)
フェイジョアの花の終りの梅雨入りかな /勝美
みそはぎの水漬く芭蕉結びの地 /勝美
睡蓮や眠気を誘ふ昼下り /勝美
商店街蛍袋に灯をともす /勝美
清姫の赤き執念鹿の子百合 /勝美
(2009/07/01 掲載)
七夕や三ツ星適ふ高尾山 /勝美
朝日浴びレースの真珠生き生きと /勝美
この道や茅の輪くぐれば新しき /勝美
箱入りは娘のみかや桃もまた /勝美
天狗棲む山といひけり佛法僧 /勝美
(↓作者よりコメント)
ちなみに七夕は秋の季語、桃も秋の季語、
蜘蛛の巣は夏、茅の輪も夏、
八つ手の花は冬の季語。八つ手は季語でない。
佛法僧は夏の季語。
(2009/07/22 掲載)
火に死すに通草木葉蛾(アケビコノハ)の幼くて /勝美
担ぎ手の力自慢や宵神輿 /勝美
埃及の王家の谷の花むぐり /勝美
まぼろしを紡ぎて烏瓜の花 /勝美
夢ひらくフレンチカンカン花木槿 /勝美
料理するまでのピーマン握り締め /勝美
(2009/08/26 掲載)
爽やかな空の下なる投票所 /勝美
入手せし往復切符秋彼岸 /勝美
古里へ思ひは一つ竹の春 /勝美
一食に感謝の祈り鉦叩 /勝美
あみだ籤折れて行き着く秋思かな /勝美
日照の少なし虫の色くすむ /勝美
(2009/09/14 掲載)
出陣の勇み足なり祭り衆 /勝美
吾輩の原や虫鳴くこと許す /勝美
白彼岸花の曳く影白からず /勝美
葡萄選る一語一語を選ぶかに /勝美
定番の飾り西洋かぼちやかな /勝美
(2009/10/17 掲載)
猫じやらすことに倦みけり猫じやらし /勝美
公園に来れば池あり紅葉あり /勝美
飯桐の実に姦しき鳥の声 /勝美
玉入れの玉は手作り運動会 /勝美
差し入れのケーキ夜なべの灯の眩し /勝美
(2009/11/27 掲載)
寒垢離の歩みたたらを踏みゐたる /勝美
わたあめは夢のごとしよ日脚伸ぶ /勝美
風邪予防野菜サラダを食ふも良し /勝美
障子震はす渾身の太鼓の音 /勝美
らくがきの消されもせずに小六月 /勝美
(2009/12/23 掲載)
アイデアの未熟なるまま年暮るる /勝美
ゆく年の道あるところ何処までも /勝美
点滅を余儀なくさるる聖樹かな /勝美
顔色を窺ひながら日向ぼこ /勝美
臭きものには蓋をして年を越す /勝美
(2010/01/08 掲載)
どんど焼きまでの飾りの影薄し /勝美
恵方道とはコンビニの独居老 /勝美
骨正月早く風呂屋が開かないか /勝美
初富士や刻刻かはる街の貌 /勝美
臘梅の臘の溶け出す日差し得し /勝美
(2010/01/27 掲載)
ひと時を過せし山河鳥帰る /勝美
春昼や大道芸にひとは酔ひ /勝美
木木の影大地に碓と冴返る /勝美
待春や袋へ木々の落し物 /勝美
節分へ向けてモールの蠢動す /勝美
(2010/02/17 掲載)
春愁ひ目玉に宿る海の色 /勝美
新社員解体ショーといふ試煉 /勝美
佐保姫の衣干さるる大樹かな /勝美
春陰や時間ばかりが過ぎてゆく /勝美
囀りに色あらば濃きひよこ色 /勝美
(2010/03/05 掲載)
鬱勃の氣のあらあらと新社員 /勝美
啓蟄のロボット腕を高高と /勝美
嫁菜飯死ぬまで生くる存念と /勝美
龍天に登る日猫のしなやかに /勝美
色に出て彼岸の草の逞しさ /勝美